エスカレーターアクション

すっかり時間が経ってしまいましたが、神奈川電子技術研究所の最新作「エスカレーターアクション」、なかなか面白い作品でした。
画面は一見タイトーの名作「エレベーターアクション」風……というか言われないと勘違いしそうです(^^;。
しかしいざ始めるとゲーム性はまったく別物。特徴はカーソルキーとマウスを併用する独特の操作性にあります。自分自身の移動はカーソルキーで、そして銃の照準はマウスで操作し、クリックでセレクトされている銃を発射します。これで自在に移動しつつ、敵をしっかりと狙って撃つ訳です。弾は非常に高速に撃たれますが、重力がしっかりと働くので、これによる弾のぶれも考慮して狙いを付けないと敵に当たりません。
すばらしいのは弾を撃つときの反動がしっかりと働く事で、一発撃つ毎に照準がずれるのです。特にマシンガンを連発でたたきこむためには、しっかりと照準を押さえつけていないと弾ばかり浪費してしまいます。昔「シティーハンター」という漫画で、ヒロインが銃を支えきれずに弾をところかまわずブッ放すシーンがありましたが、まさにアレです(笑)。あれがゲームで再現できるとは思わなかった! このゲームではその事自体がゲーム性のひとつとして結びついていまして、非常にリアルかつ面白い要素になっています。なお弾そのものは無制限ですが、弾倉がカラになるとリロードに時間がかかりますので要注意です。
一方敵が撃つ弾も曲者で、通常のゲームではありえない速度で、かつ画面外からでも撃ってきます。これは昔なつかしのレーダーでもわかるので、それを見越して予め障害物に隠れる必要があります。そして少しずつ近づいていって、数発の弾をしっかりと狙って叩き込む……まるで昔の刑事ドラマ物のような緊迫感が味わえます。
名前の由来となった「エスカレーター」ですが、正直あまり生きていない感じはしますが(^^;、これは欠点ではないのでヨシですね。乗ればしっかり上に向かっていきます。もちろんその間にも操作できますが、乗っている間は狙われやすいので注意が必要です。
ついでながら個性的なボスとの戦闘も面白いです。ホントにバリエーション豊かなんですよね。

神電研のゲームの特徴……初期作品からそうでしたが、物理法則をゲームに取り込み、それをゲーム性につなげようとする方向性が独特でした。結果、取っ付きがやや悪い物の、覚えて遊び方を編み出すごとに新たな発見がある、そんな楽しみがありました。ここ数作はその事が空回りして、返ってゲーム性が落ちている感じを受けたのですが、この「エスカレーターアクション」は久々に神電研本来の面白さというか、楽しさを味わえた気がします。やや操作が難しいのと残酷シーンがありますが、お勧めできます。